書籍感想 神々のプロムナード

書籍
2 out of 5 stars

出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2003/4/25)
発売日 ‏ : ‎ 2003/4/25
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 439ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4062118564
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062118569

鈴木光司(著)
単行本(中古) 43円~4110円
電子書籍 901円

星の数を見ればわかって貰える通り駄作です。
著者は「リング」や「貞子」の生みの親の鈴木光司さん、好きな作家さんの1人でもあるのですが、今作は駄作となってしまっています。
原因としては、鈴木光司さんや編集者等ではなく運が悪かったと言った感じです。

あらすじとしては、あ、ネタバレが含まれます。

主人公の村上史郎の下に友人の松岡邦夫の妻でもう一人の主人公、深雪から電話があり夫が帰ってこないと言う連絡から物語が始まり、塾を経営している物の部下に任せっきりにしている史郎はお金と時間に余裕が有るのと友人の失踪と言う事で深雪と共に邦夫を探す事になったのだけれど、失踪後の最初の数週間は邦夫から定期的に連絡があり、失踪届も出さないで欲しいと言い残し連絡が途絶える謎めいた失踪事件、ヒントはテレビを見ていた直後にコンビニにでも行く様に姿を消した事と、友人である邦夫との昔の思い出のみ。

調べて行く内にとある、新興宗教が絡んでいることが発覚したが、教祖自体は既に死亡しており実質、右腕の人物も行方が分からない状態、そして、所々に邦夫が残したと思われる手掛かりを頼りに探していると、邦夫の失踪事件が失踪直前に観ていたテレビ番組のタレントも失踪しておりそのタレントも件の新興宗教に入っていることも有り、テレビで大々的に取り上げられることに、その後、取材陣によって史郎と教祖の右腕の人物が特集番組に出演が決まったのだけれど、そこで、大事件が起こる

とここまでが、書籍の90%辺りを閉めているのですが、残り10%のページ数であっけなく事件解決と言うか、実は事件でもなく教祖の右腕の計画で皆、平和的に解決と言う無理やりなエンディング。

ボリューム的には2部作もしくは3部作でも良いくらいの話なのですけれど、鈴木光司さんの書籍でこの様な無理やりな終わり方の物は無かったので不思議に思い、調べてみたらこの小説の連載時代やテーマタイミングが最悪で、オウム真理教のサリン事件が有った時に連載されていた様で実質的に情勢を考慮しての打ち切りで終わっている様で、惜しまれる駄作と言っていいと思います。

全体の90%までは、テーマや事件、登場人物の人間臭さ等に非常に引き込まれる内容で面白いのですが、最後の無理やり辻褄の合うように何とか終わらせた感があるエンディングが全てを台無しにしている、物語の最後が大事だと実感させられる作品となっています。

この本はハードカバーでも持っているのですが、再度の確認の為、お風呂でも読む為に電子書籍版も購入したのですが、できる事なら新装版と言うか完全版を出してほしい所です。

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